PAPILLYON

(フランス/リヨン)

​​フランス第二の都市、リヨン(Lyon)にて開催される春の風物詩。フランス国内外からディーラーが集まり、標本メインの即売会が行われる。

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 パリに次ぐフランス第二の首都、リヨン(Lyon)にて毎年4月に開催されるフェア。フェアの名前「Papillyon(パピリヨン)」はフランス語で蝶を意味するパピヨンと、開催地のリヨンを組み合わせた造語である。フェアの規模としてはイタリアのエントモデナよりやや小さく、欧州最大のフェアであるパリのジュビジーやフランクフルトの即売会と比較するとそれらの半分以下。日本のフェアで例えると、春の大宮フェアくらいの位置付けだろうか?

 以前、2016年まではアクセスが容易な市内の公民館を会場として行っていたが、ここ数年は郊外…というより田舎に片足を突っ込んだような住宅地に位置する体育館を借りて行われている。一応リヨンの中央駅であるパールデュー駅からバスが出ているものの、割と遠い上にやはりアクセスが不便なのでタクシーを使っても良いかもしれない。個人的にはまた以前の市内の会場に戻してくれるとありがたいのだが…
 

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2018年頃から欧州や台湾のコレクター間ではアイボリーコーストに産するカタモンオオツノハナムグリの​絶滅説が噂され、市場での取引額は5年前の5倍近くまで上昇した事があった。以前は画像のようにたくさんの標本があったが、アイボリーコーストからは新しい標本が入ってこないためもうこのような光景を見ることができずに残念だ。

 出展者は甲虫研究家のポリオン氏やアーナウド氏、パリのノートルダム大聖堂付近に店舗を構えるALD Entomologieのディ・ジェンナーロ氏などをはじめとしたおなじみのフランス人標本商や、他のフェアにも出張に来る面々で構成されている。


 同会場では爬虫類の即売会「Reptilyon」がしばしば開催されており、昆虫の「Papillyon」とのスペースの配分はほぼ半々といったところだろうか…いや、でも年々すこ~しずつ爬虫類の面積が増しているような…。日本のフェアでも昆虫限定の即売会だったのに、回を重ねる毎に爬虫類業者ばかりになってしまって来場者からは不満が出ている、なんて光景を目にする。フランスでもその流れがジワジワと来ていたりするのか!?

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 フランスでのフェアという事もあり、歴史的にフランスの植民地であった国や現在もフランス語が公用語の国、例えば虫屋にはおなじみの言わずと知れたフレンチギアナやレユニオンの虫などはよく目にする。現地にコネを持つ人間が多い為、様々な種類を安価で購入出来るのが良い。以前はタイタンオオキバカミキリTitanus giganteusの新鮮で巨大な標本を比較的安価で入手出来た(しかし2019年にフレンチギアナにて年間で採集できる本種の数は「一人あたり1頭まで」という規制が制定されて以来価格が急上昇したので、現在は極めて高価。現地に通じている人間が多いだけに、そういった規制による市場価格の変動などにもフランスの標本商は他のヨーロッパの標本商に比べてより敏感である)。

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机上に置かれているのは巨大なタイタンオオキバカミキリ(Titanus giganteus Lin.)のメスの標本。本種はメスが非常に得難く高価である。この標本は2000ユーロ(訳25万円)の値がついていたが、すぐに完売した。

 当日は必ず入口の付近に軽食の販売スペースが出るため、軽食(パニーニやサンドイッチ、飲み物など)は買える。誰もが標本に熱中しているので昼食なんてこだわらない、サンドイッチ1個でも買えりゃあ十分だ、と思っているかもしれない。しかし一応紹介しておくと、ここの会場の周りはマジの住宅街なのでちょっと歩かないかぎりレストランなんぞ無い。昼食はガッツリ食べたい派の人であれば、買って持参した方がいいのかも。

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​ビーフバーガー?ビーフサンドイッチ?なるものも当日限定の臨時の屋台で販売している。この見た目で不味いわけがない...

​ヨーロッパを代表する大手用品メーカーEnto Sphinxも卓を構える

周辺・観光情報


 最寄りはリヨン・パールデュー駅(Gare de Lyon-Part-Dieu) (※注意!パリ市内にもリヨン駅(Gare de Lyon)があるが、これは全く別の駅!)であり、周辺には数多くの観光地があるのでフェア当日前後の時間つぶしには事欠かない。市内には世界遺産の旧市街地、ローヌ川とソーヌ川、フランス料理の殿堂ポール・ボキューズ市場もある。超一流観光地であるので、フェアのついでに機会があれば訪れてみるのもいいかもしれない。

​世界遺産に登録されている旧市街地の街並み

​リヨンは国内でも特に「美食の街」として名高い。リヨンの郷土料理を提供するレストランも多く存在する。

​映画博物館なるものもあり、「ジュラシックパーク」で使用されたトリケラトプスの頭や「エイリアンvsプレデター」の実物大プレデターも展示されている。リヨンは観光には事欠かない街だ。