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​インセクトフェア in ヨーロッパ

- ヨーロッパの即売会事情 -


 ヨーロッパは昆虫学発祥の地であり、まさにコレクション文化も本場。会場は最も大きいフェアでも大手町程の巨大な面積は無いものの、世界中から研究者やコレクターが集まり、コアな出品が多い。ジュビジーやフランクフルトは比較的空港からのアクセスが容易なものの、中には田舎の公民館の様な場所で行われるものも多く、また日本からの旅費(飛行機代+ホテル代+その他)で数十万円かかってしまうデメリットがある。その資金で大手町のフェアや国内ショップで散財するか、現地に実際に採りに行った方が早いのではないか・・・?という考え方もある(しかし私はかわいそうで虫を自らの手で殺せないという性格と、それ以上に「卓上採集」にこれ以上ない興奮と感動を覚える人間なので、結局フェアに行くのである)。

 私は2014年に欧州に移住してからこれまで毎年各地のフェアへ年に数度必ず訪れている。昔から参戦されている諸先輩方には到底及ばないものの、1年に欧州で行われるフェアへの出撃回数だけで言えば日本人最多を自負している(参加したからだからなんだという話ではあるが)。そこでこれまで開催された欧州での定例フェアについての情報や特徴を少しでもシェア出来たらと思い、今回走り書きではあるものの下記に記したので、もし渡航を検討されるようなことがあれば参考にしていただければ幸いである。


 

欧州フェアのメリット

・広い歩行通路、広い会場、飲食OKでワイン片手に出展者と喋りながら楽しむのが醍醐味
・ディーラーが現地で直接採ってきたorコネがある事が多いので、各国のとてもマニアックな虫が手に入る。研究者や珍品マニアには嬉しい。
・2日間に渡って開催される。まあ本当にいい物は初日の午前中に売り切れるわけだが、ゆっくり見て回れるのは嬉しい。
・ヨーロッパの植民地であった国の虫はかなり安く入手できる。現地コレクターとのコネを通じて安価で仕入れられるので、種類も量も豊富。
・世界中から研究者や著名コレクターが多く集まるので、活発な情報交流が期待できる。

欧州フェアのデメリット

・いわゆる「コレクター」が求める超大型個体というのは少ない。たま~に誰かが亡くなった時に遺品として出たりするが、そんなことは稀なので大型コレクターには向かない。仮にあったとしてもそういった逸品は開場前に全て無くなってしまう。フェア自体が緩く、即売会というよりは物好きの交流会のような位置付けなので、開場前に販売はしないでください…といったような常識的なルールなど存在しない。


・パーツ欠損、ラベル欠損、不完全品である事は当たりまえ。日本人の特に「コレクター」は標本のコンディションには非常にうるさいが、研究者からすると脚の一本くらいかけていようが関係ない…といった心情が関係しているのだろうか?購入した後に不備を見つけても、それは買う前に見抜くことが出来なかった自分の責任である。文句を言っても通じない。


・クワガタ屋には絶対おすすめ出来ない。欧州でのクワガタの出品数は多分タマムシと同等かそれ以下の少なさであり圧倒的に不人気。見られるのも通常種ばかり(しかし稀に研究者向けに小型クワガタのとんでもない珍品はあったりする)。ヨーロッパだからといって「いろんな産地のケルブスを買うぞ~」なんて期待をしている方には申し訳ないが、そもそもドイツでは販売が禁止だし、他のフェアでも殆ど見かけない。あったとしてもせいぜい日本で買えるフランス産のものくらいだ。


・現地に行くまでの交通費や宿泊代が高い。最低でも数十万円からなので、それを考えると普通に大手町や国内の標本商でその金額分買った方が断然得である。

PAPILLYON

(フランス/リヨン)

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EntoModena

(イタリア/モデナ)

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BIRMINGHAM

ENTOMOLOGICAL

SHOW

(イギリス/バーミンガム)

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Midland

Entomological Fayres(イギリス/ミッドランド)

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JUVISY

(フランス/パリ)

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AES

Annual Exhibition and Trade Fair

(イギリス/ロンドン)

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The International Insect Exchange Fair in Frankfurt am Main

(ドイツ/フランクフルト)

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