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JUVISY

(フランス/パリ)

Bourse exposition internationnale d'insectes, Juvisy, France

Last update: 10. Feb. 2026

​9月のパリの祭典、ジュビジー国際昆虫標本即売会はヨーロッパ最大規模の即売会。規模は大手町のフェアに勝るとも劣らない、1年で最も熱いインセクトフェア。

■Juvisy(ジュビジー)とは?

フランスのパリ郊外に位置する閑静な町「ジュビジー」にて開催されるインセクトフェア。

 

欧州で最も大きいフェアと言えばこちらのジュビジーとドイツのフランクフルトの二つですが、私の体感だとジュビジーの方が恐らく標本数で比べると規模が大きいと言えるのではないでしょうか。日本最大のフェアとして知られる大手町インセクトフェアに匹敵する、伝統と歴史のあるフェアです。
 

それだけに日本からも毎年標本業界の所謂重鎮の方々が参加されます。欧州のミヤマに精通されている方や、蝶屋で日本のフェアの主催者である方など、毎年名のあるコレクターの方々を度々お目にかけます。

大型甲虫に関しては日本でこの方の右に出る者はいないと思われる標本商の吹抜氏や、運営にも関与するメンバーでもあるパイネの宮下氏など、世界中からそうしたそうそうたる熱意を持つコレクターが集う活気あふれるフェアです。

​会場付近のジュビジーの街中にはいたるところにフェアの広告が出ている。それだけ影響力の大きな即売会ということ。

フランスでの開催の為、基本的に出展業者はフランス人が中心です。そのため出店されている標本はリヨンのフェアと傾向が似ており、アフリカの虫やフレンチギアナの虫が多いのが特徴。

中には古くから標本商として活躍されている方もいるので、そうした方々が持ち寄るの箱の中には時々驚くような標本が入っていることも。

 

例えば19世紀に活躍し、一個人で大英自然史博物館やパリ国立博物館と肩を並べるレベルのコレクションを築き上げた伝説の標本商ル・ムールトのオリジナルラベルがついた標本や、500万点を超える標本を集めた甲虫学者オーベルチュールの標本など、歴史的な標本が何気なく入っていたりするのが驚きです。

​ご高齢のコレクターによる放出品。コンディションはよくないが、たまにとても古い著名な研究者の同定ラベルがついている標本も目にする。

このジュビジーををはじめ、ヨーロッパのインセクトフェアでは目を見張るような大型のサイズの標本というのはまず卓に並びません。したがって、サイズを求めるタイプの大型標本コレクターには向かないのが特徴です。

当店でもお客様より海外フェアへの参加のご相談をいただくことがあります。しかしながらまず確実に言えるのは、1.コレクターが求めるような大型サイズの出品はない 2.特にクワガタ類の出品がほとんどないので、それらをお求めの方にはおすすめしておりません。

 

出店業者は研究者が多く、自身で採集したマニアックな昆虫が販売されているケースがほとんどです。

例えば中南米のコガネムシが好きなコレクターであれば、ヨーロッパのフェアは間違いなくおすすめでしょう。

ジュビジーの主催者であるアノウ氏は、かつて自身で南米にて採集調査を行い、そこで得たコガネムシを数多く新種として記載しました。その研究に使用した貴重な標本の販売をジュビジーの会場で行っていたりするため、その筋のマニアにとっては集めるのにこれとない機会です(アノウ氏は、氏の友人であるマリー氏や故スーラ氏など、フランスにおけるコガネムシ研究の権威のコレクションも委託販売しています)。

コアなコレクターが欧州のフェアまで出向く理由は、こういった部分にあると言えるでしょう。

​このように、参加者も「研究者」としての顔をもつ人間が多いことが挙げられます。

逆に言えば、日本や台湾のように、虫のサイズに価値を見出してコレクター間で競い合うという文化はあまり存在せず、サイズに無頓着である人間がほとんどです。サイズの表記もなく、展足されいない標本が大半を占めます。

​オーストラリアのコガネムシ。コレクターというよりは研究家向けな感じがするひと箱。

会場の通路は広く、日本国内のインセクトフェアの様に人ごみで立ち往生する、なんて事は断じてないので極めて快適。

 

軽食やアルコールなども販売されているため、日本の様にきちっとした厳格なルールの下で行われる「即売会」というよりは、虫好きオヤジ共の1年に1回の交流会のような和気あいあいとした緩い雰囲気が漂うのがいいところではないでしょうか。

タバコを吸いたくなったら会場横のスペースで勝手に吸い、ビールが飲みたくなれば自身の卓を放置して知人の卓で一杯やる、なんてことも許される、和気あいあいとした空間。

 

例えば昨年のフェアで言えば、まだ閉場まで時間があるのに、イタリアの研究者M氏が勝手に友人の卓に乗り込み、標本をどかしてその場で持参のチーズを切り始め、ワインと共に周りの人々と共に宴会を始めた...なんてシーンも。

主催者のアノウ氏はサプライズでお祝いされ、1日中背中に風船を括りつけられたまま会場を歩いていたこともありました。

欧州独特の、陽気なノリを感じ取れる場所でもあります。

​広い通路は羨ましい限り。日本の大規模フェアではこのようなスペースをとれない会場が多く、通行にも一苦労。

​値段が全くついていない標本箱もかなり多い。このような標本は店主と駆け引きをうまいことしないといけないので、しっかりと見極める能力も必要。しかし時には売り物ではないと言われたり、1箱まるごと買ってくれなければ売らないと言われたり、なんともユルい感じ。

​少数ながら生体も少販売している業者も。しかしそれにしてもアクティオンゾウカブトの蛹なんてデリケートなものを堂々と販売して大丈夫なのだろうか?

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​ヨーロッパではトレード文化が根付いている。単純な売買の場ではなく、お互いの利益になるよう気を使いながらトレードをすることでコレクションを拡大していく。

​規模が大きいフェアであることは確かだが、クワガタはほぼ普通種か、研究者向けの小型種のどちらかしかない印象。

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​2024年のJuvisyでは、開催30周年を記念して全出展業者にオリジナル蜂蜜が配布された。

■周辺・観光情報

会場はパリ市内からは40分ほどでアクセス可能。

最寄り駅からも徒歩15分なので、他の欧州で開催されるフェアと比べるとアクセスが便利です。

 

しかし電車でジュビジー駅に行くまでの間には治安の悪い場所もあり、特に夜のRERのC線は人が見ている前でのスリや強奪が日常茶飯事なので注意が必要。電車内はスプレーの落書きが施され、海外の映画によく出てくるような感じの雰囲気なので、電車を利用する場合は時間帯に要注意。

最寄りのジュビジー駅も数年前に駅舎がリニューアルされるまでは雰囲気が非常に悪く、実際に私も自動改札をジャンプで飛び越える若者を見かけたこともありますし、改札を出る際に小さな女の子にピッタリと後ろを着かれ、無銭乗車された経験もあります。

数年前に大改修が済んだ現在のジュビジー駅は非常に綺麗ややで治安もよくなったものの、油断は禁物です。


もう一つ気を付けるべきことを挙げるとすれば、会場のトイレには注意!

日本人では耐えきれないレベルの想像を絶する汚さで、用を足したくなった際には近くのスーパーかホテルのものを利用するしかないのが現状です(人によるかもしれませんが、少なくとも私はあの場のトイレは使用できません)。

周囲は完全な住宅地で気軽に利用できる公衆トイレはないため、あらかじめトイレ対策をしたうえでフェアに望まれる事を強く推奨します。


前述の通りパリ市内からのアクセスが良いため、宿泊地は市内にとって当日の朝に会場に向かうのがベスト。

しかし筋金入りのコレクターは前日からジュビジー駅周辺の宿(2か所ある)に宿泊します。

おかげで当日の朝食会場は、いかにも虫をやってそうな人間で占拠されるのが毎年の光景…。

​この時期のパリは秋真っ盛り、紅葉がとても美しい観光にベストなシーズンだ。街を歩いているだけで楽しい。

​有名なノートルダム大聖堂は、RER-C線上のフェア会場へ向かう途中にある。

​駅の電光掲示板に表示された「Juvisy」の文字を見ると胸が高鳴る。何回出撃を重ねようとも、フェア前の高揚感が薄れることは全くない。

​昆虫標本の収蔵数では世界最大規模のパリ国立自然史博物館に訪れてみるのも良い。巨大な博物館の建築には圧倒させられる。

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日本のインセクトフェア

Entomological Fairs in Japan

日本各地で開催されるフェアをご紹介。

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